自転車メンテナンスの適切な頻度は?怠るリスクや手順・点検との違いも解説
自転車の機能と安全性を維持し、寿命を延ばすためには、販売者や持ち主が適切な頻度・内容でメンテナンスを実施する必要があります。
そこで今回は自転車の製作・卸売りを行うメーカーであり、小売部門も有するサカイサイクルが、自転車の適切なメンテナンス頻度について解説。基本的な手順や、怠ることのリスクについても紹介していくので、お客様へメンテナンス頻度をご案内する際の参考にご覧ください。
目次
自転車の適切なメンテナンス頻度は?車種別の目安
自転車のタイプ別に、適切なメンテナンス頻度の目安をまとめると、以下のようになります。
- シティサイクルの場合:できれば1か月に1回、少なくとも3~6か月に1回程度
- 電動アシスト自転車の場合:できれば1か月に1回、少なくとも3~6か月に1回程度
- スポーツサイクルの場合:2~3週間に1回程度
なお、車種によって適切なメンテナンス頻度に違いが出るのは、自転車の構造やパーツの強度が異なるためです。例えば、毎日の通勤・通学等での日常使いや屋外での保管を前提に作られるシティサイクル、電動アシスト自転車の場合は、丈夫で錆びにくい構造になっています。
一方でより長く、速く走るために作られるロードバイクやクロスバイク等のスポーツタイプの自転車には、頑丈さや錆への耐性よりも、軽量さや走行性能が求められます。それらの性能を確保するには、軽量化に重きを置いた特殊な素材を使ったパーツ、または構造を採用しなければならないため、どうしても高い頻度でのメンテナンスが必要になるのです。
タイプ別のメンテナンス頻度の目安とともに、自転車の種類によるおおまかな耐久性や構造の違いについても、覚えておくと良いでしょう。
ちなみに、適切なメンテナンス頻度は自転車の種類だけでなく、走行距離や使用する頻度、保管環境等によっても変わってきます。もし、購入後に過酷な環境での使用・保管が想定されるようなら、より高頻度でメンテナンスを行うことをおすすめしてください。
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自転車の「メンテナンス」と「点検」の違い
一般的に、メンテナンスは工業製品等の機能を維持するために行う日常的な保守点検のこと、点検は、故障個所の修理や整備、または一か所ずつ詳しく検査していくこととされます。
自転車においては、主に購入者・使用者が行う日常点検をメンテナンス、自転車店での不具合等のチェックや整備、修理、部品交換、オーバーホール等を点検と理解すれば良いでしょう。
メンテナンス頻度が下がると自転車はどうなる?
自転車を安全に、長く利用するために欠かせないメンテナンスですが、もし適切な頻度で実施しなかった場合、どうなるのでしょうか。そこで以下からは、適切な頻度での自転車メンテナンスを怠った場合に起こり得る2つのリスクについて、紹介していきます。
リスク①乗車中にトラブルや事故に遭う可能性が高くなる
車種に関わらず、自転車は使用や経年により劣化していくものです。そのため、適切な頻度でメンテナンスを行っていない自転車は、当然ながら劣化が進み、走行中に以下のような不具合やトラブルを引き起こす可能性が高くなります。
- ホイール等の回転を円滑にするためのベアリングにゴミが入り、走行できなくなる
- ブレーキワイヤーの異常やブレーキシューの摩耗により、ブレーキが利かなくなる
- タイヤやチューブの破損・パンク、リムの摩耗や劣化が進み、走行できなくなる 等
走行中に上記のようなトラブルが起これば、命にかかわる大きな事故にも繋がりかねません。
自転車を購入・使用されるお客様には、適切な頻度でのメンテナンスがご自身や家族、そして周囲の人たちの命と人生を守る対策となることを、しっかりお伝えしましょう。
リスク②重大な不具合が起き、修理費用が高額になることも
先述したような不具合の中には、早い段階で発見して対処すれば、少ない費用で比較的簡単に整備・修理対応できるものもあります。例えば、日ごろからブレーキの使用時に違和感がないかをチェックする習慣があれば、ブレーキが利かなくなる前に店舗へ点検や整備・修理を依頼することができるでしょう。
また、定期メンテナンスによりタイヤの空気量や空気圧を適切に管理できていれば、パンクや交換の必要性が生じる前に、少ない費用で整備・修理することができるはずです。
しかし、安全な走行ができなくなるほどの不具合が生じると、タイヤ交換等の大掛かりな修理が必要となるため、修理費用も高額になってしまうケースが多いです。適切な頻度で自転車をメンテナンスすることは、安全面だけでなく、経済面においても大切なことだと理解しておきましょう。
基本はこれでOK!自転車メンテナンスの方法と手順
ここからは、自転車をメンテナンスする際の基本的な手順について紹介していきます。自転車に詳しくない方でも挑戦しやすいように、最低限対応してほしいポイントを以下にまとめましたので、参考にご覧ください。
- タイヤの空気量・空気圧が十分かどうかを確認し、必要に応じて空気を入れる。すぐに空気が抜けてしまうようなら、虫ゴムやタイヤゴムの劣化、ヒビがないかを確認する。
- チェーンの汚れをクリーナーやウエス、キッチンペーパー等で優しく拭き取る。
- チェーンの下に雑巾を添え、すべての穴に注油して染み込ませる。その後、チェーンを一周させてオイルを全体に回してから、余分なオイルを拭き取る。
- 乾いた布やウエス、専用のクリーナーシート等を使い、フレームの汚れを拭き取る。同時にフレームに大きなキズや塗装の剥がれ、破損箇所等がないかチェックする。
- ハンドルやサドルを前後左右に動かし、ネジの緩みがないかをチェック。ガタついた場合はネジを締め直し、スムーズに動かない場合は可動部分に注油して対処する。
- サドルやハンドルのグリップ部分が汚れているようなら、雑巾と家庭用の中性洗剤を使って落とす。
関連記事:「自転車フレームにはどのような種類がある?素材・形状・構造による特徴や乗り心地の違いを紹介」
なお、ご自身で注油するのが難しいようなら、汚れの拭き取りやタイヤの状態チェック等、他のメンテナンス項目だけでも日常的に実施していただけるようご案内しましょう。
自転車の種類によるメンテナンス内容の違いは?
一般的なシティサイクルや電動アシスト自転車、そしてクロスバイク等のスポーツタイプの自転車では、適性空気圧が異なります。
具体的には、一般的な自転車であれば300kpa(キロパスカル)あれば問題ないとされます。一方でスポーツサイクルの場合は、タイヤに記載された適性空気圧に合わせて空気圧を調整しなければならないため、注意が必要です。
わからないこと・違和感があればプロの点検を!
走行中やメンテナンス中に異音や違和感があったり、各所の割れ・ヒビ・歪み等に気が付いた場合は、万が一のために、自転車のプロによる点検・整備を受けておくことが推奨されます。
お客様には、最低でも半年に1回、または気になることがあれば必ず来店してもらうように促し、購入後も一緒に自転車をメンテナンスしていける関係性を構築しましょう。
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